対象年度:本記事は、2026年1月1日〜12月31日の所得を2027年に申告する人向けです。
「チャトレの報酬が少しでもあれば、確定申告が必要?」「衣装やスマホ代は経費にできる?」「申告すると会社に知られる?」と不安に感じていませんか。
結論からいうと、給与収入2,000万円以下で、1か所から源泉徴収対象の給与を受けて年末調整が済んでいるなど一定の条件を満たす人は、業務委託のチャトレを含む給与・退職所得以外の所得が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。
ここでいう20万円は売上や振込額ではなく、報酬から必要経費を引いた後の利益を指します。
一方、チャトレを専業にしている人には「20万円以下なら申告不要」という基準は使えません。また、副業所得が20万円以下でも、住民税の申告が必要になることがあります。
この記事では、チャットレディ(チャトレ)の確定申告について、必要になる金額、経費にできる支出、所得区分、申告手順、住民税の注意点まで順番に解説します。
チャトレの確定申告が必要になる金額とは?

まずは、自分がどのケースに当てはまるか確認しましょう。
| 働き方 | 所得税の確定申告の目安 |
|---|---|
| 本業の勤務先が1か所で、年末調整済み。チャトレは副業 | チャトレを含む給与・退職所得以外の所得合計が20万円を超えると、原則必要 |
| 上記と同じで、給与以外の所得合計が20万円以下 | 所得税の確定申告は原則不要。ただし住民税の申告は原則必要 |
| チャトレが主な収入で、ほかに所得がない | 20万円基準は使わない。2026年分は、基礎控除だけなら所得104万円以下が所得税0円の一つの目安 |
| 事務所などと雇用契約を結び、給与を受け取っている | 本業給与とは別なら2か所給与のルールで判定。チャトレ給与だけなら年末調整の有無などから判定 |
国税庁も、年末調整済みの給与所得者について、給与以外の所得が20万円を超える場合は原則として申告が必要と案内しています。
詳しい条件は国税庁「給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合」で確認できます。
「20万円」は収入ではなく所得
チャトレの所得は、基本的に次の式で計算します。
所得 = 1年間のチャトレ報酬 − 必要経費
たとえば、1年間の報酬が60万円、必要経費が25万円なら、所得は35万円です。
本業が年末調整済みの会社員で、ほかに副業所得がなければ、20万円を超えるため原則として確定申告が必要です。
反対に、報酬が30万円、必要経費が12万円なら所得は18万円です。一定の条件を満たす会社員なら所得税の確定申告は省略できる可能性がありますが、住民税の申告まで不要になるとは限りません。
なお、20万円の判定では、チャトレ以外の雑所得や事業所得も合算します。
別の配信、フリマでの営利目的の販売、原稿料などがある人は、チャトレ分だけで判断しないようにしましょう。
専業チャトレに20万円ルールはない
チャトレだけで生活している人は、「所得が20万円を超えたか」ではなく、すべての所得から基礎控除や社会保険料控除などを引き、納める所得税が生じるかで判断します。
2026年分は税制改正により、合計所得金額489万円以下の人の所得税の基礎控除が104万円に引き上げられました。
そのため、ほかに所得がなく、所得控除が基礎控除だけなら、チャトレ所得が104万円以下では所得税が通常発生しません。
ただし、基礎控除額は合計所得金額によって変わります。住民税の基礎控除は最高43万円で、非課税基準も扶養状況や自治体によって異なるため、「104万円以下なら何の手続きも不要」とは考えないでください。
20万円以下でも住民税の申告が必要になる
所得税の20万円ルールは、住民税にはそのまま適用されません。所得税の確定申告をしない場合でも、給与以外の所得があれば、市区町村への住民税申告が原則必要です。
所得税の確定申告をした場合は、その情報が自治体に送られるため、通常は住民税申告を別に出す必要はありません。
自治体によって案内や例外が異なるため、住所地の市区町村で確認しましょう。
副業所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合は、原則として市民税・県民税の申告が必要とされています。
また、医療費控除や寄附金控除などを受けるために所得税の確定申告をするなら、20万円以下のチャトレ所得も含めて申告します。「20万円以下の分だけ書かない」という扱いはできません。
チャトレの報酬は雑所得?事業所得?給与所得?

所得区分は、仕事の呼び名ではなく、契約内容と実態で決まります。
雇用契約なら給与所得
事務所や運営会社に雇用され、時給・月給などの給与を受け取っている場合は給与所得です。勤務先から交付される「給与所得の源泉徴収票」を確認しましょう。
この場合、チャトレ用に購入した物を、業務委託と同じように自由に必要経費へ入れることはできません。
業務委託なら雑所得または事業所得
雇用ではなく、成果に応じて報酬を受け取る契約なら、雑所得または事業所得になるのが一般的です。
- 副業として小規模に行っている場合は、業務に係る雑所得となることが多い
- 独立して継続的に取り組み、営利性や事業規模、記帳状況などから社会通念上「事業」といえる場合は、事業所得となる可能性がある
ただし、「副業だから必ず雑所得」「売上300万円を超えたら自動的に事業所得」と決まるわけではありません。国税庁は、活動が社会通念上事業といえる程度かどうかで判定するとしています。
事業所得か雑所得かで、青色申告の可否や赤字の扱いが変わります。判断に迷う規模なら、契約書、報酬明細、稼働状況、帳簿を持って税務署または税理士へ相談するのが安全です。
チャトレで経費にできるもの

必要経費にできるのは、チャトレの報酬を得るために直接必要だった支出です。プライベートでも使うものは、仕事で使った分だけを合理的な基準で分けます。これを「家事按分」といいます。
| 支出 | 経費にできる可能性 | 注意点 |
|---|---|---|
| パソコン、スマホ、Webカメラ、マイク、ヘッドセット、照明 | 高い | 私用を兼ねる場合は使用時間などで按分。高額な機材は減価償却が必要なことがある |
| インターネット、スマホ通信料、電気代 | ある | 業務時間、通信量など説明できる基準で按分する |
| 配信用の部屋代、家賃 | ある | 外部の業務専用ルーム代は原則全額。自宅は専用室があっても床面積・使用実態などで業務部分を算出 |
| 配信ルームまでの交通費 | 高い | 日付、行き先、目的を記録する |
| サイト・事務所の手数料、振込手数料 | 高い | 明細が手数料控除後の金額なら二重計上しない |
| 会計ソフト代、税理士への事業相談料 | 高い | 私的な相談分があれば分ける |
| 配信専用の背景、小道具、ウィッグ、衣装 | ある | 日常でも使える物は私的支出と判断されやすい。配信専用であることを記録する |
| 化粧品、美容院、ネイル、エステ | 慎重な判断が必要 | 通常の身だしなみや私生活でも使う支出は、原則として家事費。業務専用部分を客観的に説明できる場合に限り検討する |
家賃や通信費などの家事関連費は、業務に必要な部分を明確に区分できる場合、その部分だけ必要経費にできます。国税庁「必要経費の知識」でも、取引記録などに基づいて業務上必要な部分を区分するよう案内しています。
たとえば、月6,000円のインターネット回線を業務40%、私用60%で使っているなら、毎月2,400円を通信費とする考え方があります。
割合は何となく決めず、配信時間や利用状況をメモして、毎年同じ基準で説明できるようにしましょう。
所得税・住民税そのものは必要経費になりません。国民年金や国民健康保険料も通常は必要経費ではなく、要件を満たせば社会保険料控除として所得から差し引きます。
申告前にそろえる書類とデータ
確定申告の時期に慌てないよう、次の資料を保存しておきます。
- 各サイト・事務所の年間報酬明細、ポイント履歴、振込履歴
- サイト手数料や振込手数料の内訳
- 源泉所得税が引かれている場合は、その金額が分かる明細
- 経費の領収書、レシート、請求書、カード利用明細、注文履歴
- 家事按分の計算根拠を記したメモ
- 会社員なら本業の給与所得の源泉徴収票
- 国民年金、生命保険、医療費、寄附金など所得控除に関する資料
- マイナンバーカードと暗証番号
報酬が12月に確定して翌年1月に振り込まれる場合などは、振込日だけで売上年を決められないことがあります。
原則は「収入を受け取る権利が確定した時点」で考えるため、年末の未振込報酬や未換金ポイントも明細ごと保存してください。
現金主義は自由に選べるわけではありません。事業所得では、一定の小規模な青色申告者が期限内に届出をした場合などに限られます。
業務に係る雑所得にも別の収入要件があるため、国税庁「収入金額とその計算」で該当要件を確認しましょう。
支払調書が届かなくても、申告義務がなくなるわけではありません。ダッシュボードの履歴が消える前に、CSVやPDF、スクリーンショットを月ごとに保存しておくと安心です。
Web上で受け取った報酬明細や電子請求書は、原則として元の電子データも保存してください。
チャトレとファンクラブの運営を整理したい方へ
確定申告に向けて1年間の報酬を集計すると、「サービスごとの売上を追えていない」「ファンクラブの料金や更新頻度を感覚で決めている」「投稿や告知の管理まで手が回らない」といった運営上の課題に気づくことがあります。
わたしたちは、すでにファンクラブを運営しているクリエイターに向けて、現在の活動状況を整理し、運営を改善するための支援を行っています。
- 有料プランの価格や内容の見直し
- 投稿スケジュールと公開管理の整理
- 売上・会員数・継続状況などのデータ分析
- SNSからファンクラブへの導線改善
「ファンクラブを運営しているものの、何から見直せばよいか分からない」「更新管理の負担を減らしたい」という方は、ぜひとも一度ご相談ください。
チャトレの確定申告をする7ステップ
1.契約形態を確認する
契約書と明細を見て、給与所得なのか、業務委託による雑所得・事業所得なのかを確認します。源泉徴収票が交付されているなら、まず給与の可能性を確認しましょう。
2.1年間の報酬を集計する
1月1日から12月31日までに計上する報酬を、すべてのサイト・事務所分について集計します。サイト利用者が支払った金額ではなく、自分が契約上受け取る報酬額を基にします。
3.必要経費を集計する
領収書や明細を勘定科目ごとにまとめます。私用を兼ねる支出は家事按分し、割合の根拠を残します。
報酬がすでに手数料控除後で記載されている場合は、同じ手数料をもう一度引かないよう注意してください。
4.所得区分と申告方法を決める
雑所得なら、確定申告書の「雑所得・業務」へ収入と必要経費を入力します。事業所得なら、白色申告では収支内訳書、青色申告では青色申告決算書を作成します。
5.国税庁の作成コーナーで申告書を作る
確定申告書等作成コーナーなら、画面の案内に沿ってスマホやパソコンから作成できます。マイナンバーカードがあれば、e-Taxで自宅から提出できます。
報酬から所得税が源泉徴収されている場合、収入には原則として源泉徴収前の報酬総額を計上し、源泉徴収税額を別途入力します。
源泉徴収は税金の前払いなので、税額を入力しないと税金を二重に負担するおそれがあります。計算結果によっては還付になることもあります。
6.住民税の徴収方法を確認する
会社員が給与以外の所得にかかる住民税を自分で納めたい場合は、確定申告書第二表の「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」を選びます。
記載欄は国税庁の申告書作成案内で確認できます。自治体によって扱いが異なるため、提出後に市区町村へ確認すると確実です。
7.期限内に提出・納付する
2026年1月1日から12月31日までの所得について、所得税の申告・納付期限は2027年3月15日(月)です。
税務署窓口での受付は2027年2月16日(火)からですが、還付申告はそれ以前でも提出できます。日程は国税庁「申告と納税」で確認できます。
青色申告と白色申告はどちらを選ぶ?
雑所得では青色申告を選べません。チャトレの所得が事業所得に該当する場合に限り、所定の期限までに承認申請をすることで青色申告を利用できます。
2026年分の青色申告特別控除は最大65万円です。65万円控除には、複式簿記、貸借対照表・損益計算書の添付、期限内申告に加え、e-Taxによる申告または一定の電子帳簿保存が必要です。
要件を満たさない場合は55万円または10万円となります。
青色申告を始めるには、原則として適用を受けたい年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出します。
その年の1月16日以後に開業した場合は、開業日から2か月以内です。2026年1月15日以前から事業を行っていた人の2026年分の申請期限は2026年3月16日で、すでに経過しています。
2027年分から利用する継続事業者は、原則2027年3月15日までに申請します。申請を忘れると、後からその年分を青色申告に変えることはできません。
白色申告なら記帳しなくてよい、というわけでもありません。事業所得がある人には記帳と帳簿保存の義務があり、法定帳簿は7年、請求書や領収書などは原則5年保存します。
前々年の業務に係る雑所得の収入が300万円を超える場合も、現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があります。
確定申告するとチャトレが会社にバレる?

確定申告をしただけで、税務署から勤務先へ「チャトレをしている」と直接連絡されるのが通常というわけではありません。
ただし、副業所得によって住民税額が増え、勤務先が受け取る住民税の通知をきっかけに、副業を推測される可能性はあります。
チャトレ報酬が雑所得または事業所得なら、確定申告で給与以外の所得に対する住民税を「自分で納付」にすることで、副業分を普通徴収にできる場合があります。
ただし、次の点に注意してください。
- 普通徴収を選んでも、会社に知られないことを保証する制度ではない
- 自治体の運用や申告内容によっては希望どおり分けられないことがある
- チャトレ報酬が給与所得なら、副業分だけ普通徴収にできないことがある
- 就業規則や情報管理など、住民税以外の経路で分かる可能性もある
無申告にすることは対策になりません。税金を正しく申告したうえで、住民税の扱いは住所地の自治体へ確認しましょう。
売上が大きい人は消費税・インボイスも確認
所得税とは別に、消費税の申告が必要になる場合があります。原則として、基準期間や特定期間の課税売上高が1,000万円を超える場合などが対象です。
また、インボイス発行事業者へ登録すると、売上規模にかかわらず消費税の申告が必要になります。申告義務がある個人事業者の2026年分の消費税申告・納付期限は、2027年3月31日(水)です。
海外運営のサイトから報酬を受け取る場合は、サービス提供先や契約関係によって消費税の判定が複雑になります。
売上が1,000万円に近い人、インボイス登録を求められた人、海外事業者と直接契約している人は、国税庁「消費税の基本的なしくみ」を確認し、必要に応じて税理士へ相談してください。
申告を忘れていたときは放置しない
申告が必要なのに期限を過ぎていた場合は、気づいた時点でできるだけ早く期限後申告を行いましょう。状況により、無申告加算税や延滞税がかかることがあります。
税務署から連絡が来るまで待つより、自主的に手続きを進めることが大切です。
すでに申告した金額が少なかった場合は修正申告、多く申告していた場合は更正の請求を検討します。
チャトレの確定申告でよくある質問

チャトレの所得が20万円以下なら、本当に確定申告は不要ですか?
本業が1か所で年末調整済みなど、一定の条件を満たす給与所得者なら、所得税の確定申告は原則不要です。ただし、住民税の申告は原則必要です。
また、医療費控除などのために確定申告をする場合は、20万円以下の所得も含めます。専業の人には20万円ルール自体が当てはまりません。
複数のチャトレサイトを使っている場合は?
すべての契約先の報酬を漏れなく集計し、給与所得・事業所得・雑所得に正しく区分します。20万円の判定では、チャトレ以外を含む給与・退職所得以外の所得金額を合計します。
ポイントのまま換金していなければ収入になりませんか?
必ずしもそうとは限りません。換金可能になった時点や報酬を受け取る権利が確定した時点で収入となる場合があります。
利用規約、ポイント履歴、換金条件を保存し、年末残高の扱いに迷ったら税務署や税理士へ確認してください。
衣装代や化粧品は全部経費にできますか?
一律に全額を経費にはできません。配信専用で、収入を得るために必要だったことを客観的に説明できる支出は検討できますが、日常でも使う衣服、化粧品、美容院代などは私的な支出と判断されやすい項目です。
購入記録に用途をメモし、私用分を除きましょう。
20万円以下なら家族の扶養から外れませんか?
20万円は一部の給与所得者に対する所得税の申告基準であり、扶養の基準ではありません。2026年分の税法上の扶養親族・同一生計配偶者の所得要件は原則62万円以下ですが、配偶者特別控除や19〜22歳の親族に関する制度など例外があります。
健康保険の扶養判定は税金と別の基準です。国税庁の2026年改正案内を確認し、家族の勤務先や健康保険組合にも問い合わせてください。
チャトレなら「家内労働者等の必要経費の特例」を使えますか?
チャトレ全員が使えるわけではありません。2026年分の最低保障額は69万円ですが、特定の相手へ継続的に人的サービスを提供するなどの要件があります。
複数サイトの利用や不特定の視聴者がいることだけでは結論を出せず、契約上の役務提供先が運営会社なのか利用者なのかなど、契約と実態から判定します。
実際の経費が69万円なくても自動的に差し引ける制度ではないため、国税庁の2026年改正Q&Aを確認し、適用前に税務署や税理士へ相談してください。
事務所から支払調書をもらえないと申告できませんか?
支払調書がなくても申告できます。報酬明細、サイトの履歴、銀行の入金記録などから正しい金額を集計してください。源泉所得税が引かれているか不明なら、支払元へ内訳を問い合わせましょう。
まとめ:まずは報酬と経費を集計しよう
チャトレの確定申告で最も多い間違いは、「報酬が20万円を超えたら申告」「20万円以下なら何もしなくてよい」と考えてしまうことです。
本業が年末調整済みの会社員は、チャトレを含む給与以外の所得が20万円を超えるかを確認します。専業なら20万円基準ではなく、全所得と所得控除から判定します。所得税の確定申告が不要でも、住民税申告が必要になる点も忘れないでください。
まずは、各サイトの報酬履歴と経費の証拠を保存し、「収入−必要経費」を計算するところから始めましょう。
契約形態、所得区分、美容費、年末ポイント、海外サイトなど判断に迷う点がある場合は、資料をそろえて税務署または税理士へ相談するとスムーズです。
※本記事は2026年9月3日時点の一般的な情報です。個別の契約や所得状況によって扱いが変わるため、最終判断は税務署・自治体・税理士などへご確認ください。


